90662eb0.jpg山本七平の本「日本はなぜ敗れるのか〜敗因21カ条」を読みました。

以前、同じ著者の「私の中の日本軍」を読んだ時と違って、戦時中の状況や心情などがよく理解できる内容でした。

この本で挙げている「敗因21カ条」のうちの多くは、今も形を変えて続いている現象のようです。仕事や生活をする上で参考になる情報なので、忘れないように2点ほどメモします。

1つめは、「実数と員数」です。
ここでいう員数とは、故障している飛行機や旧式で動かない物まで含めてカウントして、十分な数が揃っていると虚勢を張るときに使う言葉です。

それでいて、その員数を実際の数量(実数)として戦闘などの命令が出されるので、実行できるわけがないというのです。もっともな話です。。これって、現代のビジネスでもありそうな気がしませんか?数字が一人歩きして、そんなの無理だと言うと「数字が信じられないなら、うちの社員の資格ないよ」なんて言われる雰囲気なら、戦時中のままですね。。

もう1つは、敗因21カ条の最初の項目です。
「精兵主義の軍隊に精兵がいなかった事。然るに作戦その他で兵に要求される事は、総て精兵でなければできない仕事ばかりだった。武器も与えずに。米国は物量に物言わせ、未訓練兵でもできる作戦をやってきた。」

これもビジネスでありそうです。優秀なプログラマー頼りに工数を算出したものの、そんなに優秀な人材もないので頭数だけ揃えて開発を始めてしまう。。失敗するのは明らかですが、気合いや労働時間で補おうとして、なかなか方向転換できないものです。。

。。歴史は繰り返しますね。