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この本「アメリカの鏡・日本 完全版」の原著「Mirror for Americans: JAPAN」は日本の敗戦後3年目の1948年にアメリカで出版されました。しかし、ダグラス・マッカーサーは「占領が終わらなければ、日本人は、この本を日本語で読むことはできない。」と伝えていたそうです。

GHQに日本で翻訳出版の許可を求めたものの翻訳出版は不許可。それから、占領が終了した翌年の1953年に「アメリカの反省」と題して日本で翻訳版が出版。その後、1995年に再度翻訳して「アメリカの鏡・日本」として初版を発行。戦後60年の2005年に、単行本の新版と妙訳の新書版を発行。戦後70年の2015年に、私の読んだ文庫版の「アメリカの鏡・日本」が発行されています。

マッカーサーが翻訳を拒否したのには理由があります。それは、GHQの労働諮問委員会のメンバーである、著者のヘレン・ミアーズが、鋭く公平に真実を静かに語りかける文章で綴った著書を、日本人に見せたくなかったのだと思います。

当時の歴史的背景、特にヨーロッパ諸国がアフリカやアジアで行った植民地支配のこと。日本と対峙した国々が、「つくられた脅威や神話」に対して過剰反応していたこと。ゆがんだ正義に基づく、欧米の人種差別的な行為。日本の行動に対する批判以上に、欧米諸国の行動に対する批判と日本を擁護した内容が多く、GHQ関係者の考えだからこそ、信ぴょう性があり新鮮な内容です。

。。日本に自信を持てない日本人、日本を攻撃する人々、に読んだもらいたい本です。